2004.6.1

Macで^HはUNIX

研究を進めるうえで、LSI設計ツールの使用は不可欠。
Cadence社:Icms, Icfb(SpectreRF, Virtuoso)
Synopsys社:HSPICE
SII社:SX9000
Mentor社:Calibre
Nassda社:HSIM
などなど。

Macでこれらのツールが使えると非常に便利なので、Mac(MacOSX 10.3)へX-Window Systemを導入。

○MacにX-Window Systemをインストール

その0.
Mac OS X(10.3)パッケージに付属のDeveloper Tool Kitをインストール(makeができるようになる)。
NetInfo Manager->ドメインからrootユーザを有効にする。

その1.
Appleでリリースしている X11 for Mac OS Xをインストール。

または
Xfree86 Projectより4.4.0バイナリをダウンロードしインストール。(現在(2004.4)の環境はこちら)
Xbin.tgz, Xetc.tgz, Xdoc.tgz, Xf100.tgz, Xf100.tgz, Xfnts.tgz, Xfscl.tgz, Xfsrv.tgz, Xhtml.tgz, Xinstall.sh, Xjdoc.tgz, Xlib.tgz, Xman.tgz, Xnest.tgz, Xprog.tgz, Xprt.tgz, Xps.tgz, Xquartz.tgz, Xvfb.tgz, Xxserv.tgz
を同一フォルダにおく。rootになってから、
sh ./Xinstall.sh
でインストール開始。

または
Fink ProjectよりFink 0.7.0 Binay Installerをダウンロードし、パッケージに含まれるFinkCommanderを用いてxfree86-base,xfree86-rootlessをインストール。コマンドラインでインストールする場合は以下のようにする。

% fink selfupdate
% fink update-all
% fink install インストールしたいファイル
(% fink list >finklist とすれば、現在のパッケージ一覧を見る事ができます。)


○WindowMakerのインストール

FinkCommanderを用いてwindowmakerをインストール
これでtwmだけでなく、WindowMakerを使えるようになる。
ちなみにrootlessモードでWindowMakerを使用すると、このようになる。お好きな方は、KDE、Swafish、GNOME、Icewmもどうぞ。

○その他のアプリケーション(binary, またはsourceよりインストール)

rxvt-ml:VT102 emulator for X11 with multi-language support
gimp:The GNU Image Manipulation Program
(gimp-1.2に付随して、GTK+ 1.2.10がインストールされる。 現在finkではgimp-2.0がインストール可能であり, その場合gtk+2 2.2.4-3が必要である。ちなみにgimp-2.0のイメージは, このような感じ。)
gnuplot: Command-driven interactive plotting program
nkf:Network Kanji code conversion Filter
xpdf:Viewer for Portable Document Format (PDF) files
xemacs:Highly customizable text editor
など


○pTeXのインストール

Mac上でlatex2eを動かすため、東京電機大学桐木先生のページよりpTeX package Extreme 2004v1をダウンロードし、インストールする。ついでにTeXShopもインストールしてみた。


○日本語(Unstable)パッケージのインストール

ついでにX上で日本語を入力したくなったので、xemacs、canna、kinput2の導入を検討する。
cannaやkinput2はfinkのunstableパッケージで提供されているため、田中さんのページを参照しつつ
/sw/etc/fink.conf内のTrees行を以下に変更。

Trees: local/main stable/main stable/crypto local/bootstrap unstable/main unstable/crypto

cannaのコンパイル時にユーザ名とグループ名にcannaが必要なので、root権限で

niutil -create / /users/canna
niutil -create / /groups/canna

そして以下のunstableパッケージをインストールする。
wmcalclock:Calendar clock dock app
xv:Image viewer
wmweather:Local weather dock app using METAR
canna:Japanese input system
cannadic:Japanese kana-kanji conversion dictionary for canna
kterm:X11 terminal emulator that can handle multi-lingual text
kinput2:Input server for easy input of Japanese text

.cannaは/sw/var/lib/canna/sample/sample.cannaをコピーし、
以下のように変更する。さらにユーザごとの頻度辞書を作成する。

mkdic -fq gcanna


○XemacsのRebuild

xemacsで日本語を入力するため、一旦/sw/etc/fink.confを元に戻す。(普通はEGBridge+Jeditなので必要ない)
(xemacsのβ版が非常に重いため、stable(21.4.9)をコンパイルし直すことにする)

/sw/fink/10.2/stable/main/finkinfo/editors/xemacs-21.4.9-3.infoのConfigureを以下のように変更。
次にring serverからxemacsのパッケージをダウンロードする。以下はaist.go.jpのxemacs packageのページである。

http://ring.aist.go.jp/archives/text/xemacs/packages/

ここから日本語用パッケージとして、
xemacs-mule-sumo.tar.gz
xemacs-sumo.tar.gz
などを /sw/lib/xemacs/ 以下に展開する。 mew使いは、mewのパッケージをインストールする。

ConfigureParams: --with-dialogs=athena --with-widgets=athena --with-sound=none --with -database=no --without-ldap --without-postgresql --with-athena=3d --error-checking=none --with-mule  --with-canna --with-xfs --cflags=-DX_LOCALE

その後ターミナル上で以下を実行。
fink rebuild xemacs
fink reinstall xemacs

もちろん最初にxemacsを導入する時、xemacs-21.4.9-3.infoの中を書き変えておけば
fink install xemacs
だけで良い。

ちなみに.xinitrc.tcshrcは以下のようにした。


○Sylpheedのインストール

Linux等ではメジャーなMailソフト。 Sylpheedのイメージはこちら
http://sylpheed.good-day.net/
からソースをダウンロードする。現在の最新バージョンは0.9.10(2004.2.29現在)。
このソースをコンパイルするには、GTK+ 1.2.6以降およびgcc3.1が必要。MacOSX 10.3ではデフォルトのgccが3.3になっているため、configureのGCCをgcc3.1に変更する必要がある。
設定->全般の設定を選択し、表示タブをクリックするとフォントを設定できる。ここで、jisx0208.1990-0を選択すれば美しい明朝体で表示される。あとは一般的なメーラーと同様にPOPやSMTPサーバの設定を行えば良い。


○OpenOfficeの設定

OpenOfficeはMicrosoftのOfficeと双壁をなすOffice Suiteである。OpenOfficeのイメージはこちら。 MacOSXの最新版は1.1.1(英語版)となっているが、canna+kinput2から日本語を入力できないため、残念ながら英語の論文作成時にしか使っていない。それでも使用を希望する方は、こちらからダウンロードできる。またこのページを見ている人は問題無いと思うが、X11のインストールが必須。


○NeoOffice/Jの設定

OpenOfficeではX11が必要であるが、NeoOfficeはX11を必要としない。NeoOfficeはOpenOfficeベースのOffice Suiteであるが、Javaを用いているためcanna等をインストールしなくても日本語入力が可能。ファイルはこちら


○sambaの設定

Mac OS XではSambaを利用したファイル共有ができる。しかしデフォルトの設定は、ワークグループがWORKGROUPになっているため、たとえばWindowsのワークグループをHogeHogeに設定していると、マイネットワーク/近くのコンピュータに反映されない。Macのワークグループを設定するには

/Applications/Utilities/Directory Access

を起動し、タブの「サービス」内にあるSMBを選択する。設定ボタンを押すと、Winsサーバとワークグループの設定ができるようになる。 また、findsmbを実行すればサブネット内にあるマシンのNET BIOS名、WORKGROUP、MASTER BROWSER名まで分かってしまう。したがってWindows上で
$nbtstat -a マシン名
を実行する必要が無い。
(ちなみに、タブ内にはNISの設定もあり、設定ボタンを押すとドメイン名とNISサーバの設定を行える。NISクライアントの設定方法は、AppleUSのテクニカルドキュメントに詳しく記述されている)


○高速検索(locate)

Macではファイルを検索するときにSherlockが使用される。Sherlockは内容検索もできるので便利だが、その動作は重い。またファイル名だけを検索する場合、以下のようにUNIXのコマンドfindも使用できるが、これも非常に時間がかかる。

find / -name "*hogeghoge*" -print

locateを使用すると素早く検索できるので、通常はこのコマンドを使用する。ただしlocateはテーブルを更新しないと最新の情報で検索してくれないので、
sudo /usr/libexec/locate.update
を帰宅前に実行すると良い。あるいはcronで実行させるのも可。


○./DS_Storeファイルの削除

音楽再生機能付1GB USBメモりを購入したが、Mac<->Win間のファイル移動時に.DS_Store(ファイルの属性やコメント等の情報)もコピーされるためファイルの削除を決意。.aliasファイルに以下の行を追加した。

alias rmDS 'find ~ -name ".DS_Store" -exec rm {} ";" '


○画面のキャプチャ(スクリーンショット, SunOSで言えばスナップショット)

昔のMacでは"りんご"+"shift"+"3"で画面をキャプチャし、PICTファイルとして書き出す事ができた。(漢字Talk7より前はそれほど使い込んで無かったので覚えてませんが...)現在はPDFファイルになってしまうので、"りんご"+"shift"+"3"+"control"で画面をキャプチャし、Previewの"クリップボードから新規作成"を選択してファイルを書き出す。そのときファイルのフォーマットを選択すれば、任意のファイルを出力する事ができる。(OS X 八ッキング!(海上忍氏):http://pcweb.mycom.co.jp/column/osx/)


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